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検査解説 2016.04.20

IT企業経営者が挑むゲノム関連検査

Profile sakai
株式会社SYNGULA取締役会長
酒井 禎雄さん

1968年生まれ 長岡工業高等専門学校 機械工学科 卒業。1989年4月 株式会社リクルート入社。オリコン株式会社、株式会社サイバードを経て、2011年3月 スマートソーシャル株式会社を設立、代表取締役社長に就任。2013年10月 株式会社シングラ代表取締役会長に就任。

Profile nakata
新宿ミネルバクリニック院長
仲田洋美先生

高知医科大学医学部医学科卒業 同大医学部第三内科学教室(血液・呼吸器・感染症内科学教室)、同大第二外科学教室(心臓血管外科・消化器外科・呼吸器外科・乳腺外科)、同大第二外科学教室助教、香川大学医学系研究科がんプロコース腫瘍内科,兵庫医科大学医学部付属病院臨床遺伝部などを経て、新宿ミネルバクリニックを開院。日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、臨床遺伝専門医制度委員会認定臨床遺伝専門医、日本プライマリ・ケア連合学会プライマリ・ケア指導医、麻酔科標榜医、ICD制度協議会認定インフェクションコントロールドクター、日本化学療法学会認定抗菌化学療法認定医、日本癌治療学会認定がん治療認定医。

今回は株式会社SYNGULA取締役会長の酒井禎雄氏に「運動&栄養プログラム」検査を体験受検いただきました。

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「自分の体質を知って、体重減に挑みたい」

5年ほど前に独立して40代でIT系の会社を設立。現在は取締役会長として多忙な毎日を送る酒井さん(47歳)。今も182cm体重93.5kgのがっちりした体型ですが、じつは、5年前まで体重120kgの巨漢だったといいます。今回の検査受検の動機をお聞きしたところ、ユーモアたっぷりに、経過を話してくださいました。

「リクルート時代の約20年間、残業のあと深夜に飲みに行くという不摂生極まりない生活を続けたのが、肥満になった原因です。健保組合からの呼び出しで、大学病院の肥満改善指導プログラムの運動と栄養指導を受けましたが、自分で何とかしようという気持ちがないので、体重は減りませんでした。そしてとうとう、5年ぐらい前に、当時中学生だった娘から『恥ずかしいから学校に来ないで』と衝撃的な通告を受けたのです。」

悶々としていたときに、勧められたのが、パーソナルジム。先生を紹介され、糖質制限を中心にした食事療法と筋トレのスパルタ指導を5カ月間受け、78kgまでの減量に成功。その後も運動は続けているそうですが、仕事柄、どうしても取引先との会食や飲み会が多くなり、体重は90kg台を切ることができません。

自分は肥満になりやすい体質だと思うのですが、ゲノム関連検査で自分の体質をもっとよく知れば、どこに気をつければいいのか分かるのではないかと思ってこの検査を受けることにしました。

IT関連の若い経営者仲間の方の中には、通常のジム通いや毎日のランニングでは飽き足らず、ストイックに体を鍛えて、海外での本格的なウルトラマラソンやトライアスロンなどに挑戦する人も多く、集まると健康管理がよく話題になるといいます。ゲノム関連検査についても、検査キットがいいのか医療機関での受検がいいのかなど、関心が高いことから、酒井さんも前々から興味を持っていたそうです。

検査当日

新宿ミネルバクリニックの仲田院長からは、検査の説明と検査申込書の提出、問診があり、酒井さんが同意書に署名した後に、血圧測定、採血が行われました。

問診では現在の健康状態や、アルコール摂取の頻度、喫煙歴、運動の種類、回数などを聞かれました。当日の検査の説明についてのやり取りの一部をご紹介します。

Profile nakata
今日は、「運動&栄養プログラム」の検査をご希望ということですね。
Profile sakai
はい。
Profile nakata
「運動&栄養プログラム」は、遺伝子の測定結果を日本人10,000症例以上のデータと比較し、14項目を3段階もしくは5段階で評価します。SNP検査(サインポスト検査はゲノム関連検査の中でもSNPを見るもの)というのは、遺伝子検査と呼んではいますが、ゲノムの中の遺伝子というのはたった2%しかなく、その遺伝子の上にSNPが載っているわけではありませんから、正確にいうと遺伝子検査ではありません。SNP検査から分かるのは、あくまでも、あなたが、たとえば太りやすい集団に属しているかどうか、ということです。もしその集団に属しているとすると、そのSNPの近くに太りやすいことと関連する遺伝子があるのは間違いないのですが、その遺伝子を持っているのとは違います。
Profile sakai
なるほど。その集団に属しているからといって、必ずそうなるとは限らない。職業の適正や志向性調査の結果と実際に就く職業が違うというのに似ていますね?
Profile nakata
そうです。しかしDNAの検査ですから、生涯、書き換わることのない情報が分かります。糖尿病の検査でHbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)の値を測定して、現在、糖尿病かどうかを診断するというのと違うということも知っておいてください。お子さんやご兄弟がいれば、半分は同じ体質を持っていますから、ご自分だけのことではありませんよ、ということです。
Profile sakai
じゃあ、子どもにはこういう体質があるかもしれないと教えたほうがよいのでしょうか?
Profile nakata
気をつけたほうがいいということはいえます。でも、今回調べる生活習慣病は、環境、性別、さまざまな生活習慣も含めた多因子の疾患で、遺伝的体質だけでかかるわけではありませんから。あとは結果が出てからご説明しましょう。
Sub 2

「自分の知らない自分がいた」

約1カ月後、検査結果が届き、酒井さんは再び、新宿ミネルバクリニックを訪れました。結果は検査機関から届いた「検査報告書」を見ながら、仲田医師から丁寧に説明されます。運動&栄養プログラムの検査報告書では、初めにリスク評価一覧が示され、全体の評価を見た後、項目ごとにリスク評価と、遺伝子から推奨される生活習慣、アドバイスが書かれています。当日の結果説明についてのやり取りの一部をご紹介します。

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Profile nakata
リスクが高いのは、肥満、動脈硬化、高血圧と出ていますね。肥満については、以前120kgで、そのときのBMIが36.2でしたから、引き続き注意が必要です。最も健康な状態といわれるBMI 22になる酒井さんの標準体重は72.9kgなので、減量が必要ですよね。動脈硬化は8個の遺伝子のSNPをもっていますので、かなりなりやすいということがいえます。脂質を取りすぎない、運動をする、ということが重要です。血圧は減塩が必要です。
Profile sakai
アルコールはどうですか? 酩酊してからさらに飲んでしまうのですよね。
Profile nakata
アルコール代謝の能力は標準ですが、逆に、二日酔いになりにくいから、飲み過ぎてしまうのでしょうね。報告書にも書いてありますよ。「酩酊状態が続きやすくお酒の量が多くなりやすい」と。
Profile sakai
そのとおりじゃないですか!羽目をはずしやすいのは、そのせいだったんですね。運動は毎日のようにジムに行き、家では毎日30分ぐらいマシーンを使って自転車をこいでいます。結構やっているつもりなのですが…。
Profile nakata
そうですね。よくやっておられると思います。でも、運動はものすごくしんどいわりに、消費できるカロリーが意外に少ないんです。運動で筋肉量を増やすのは必要ですが、インスリンが出やすい体質の人は、カロリーオーバーすると、その分脂肪になりやすいのです。酒井さんの場合は、お仕事柄、難しいかもしれませんが、会食は週2回ぐらいに減らしたほうがいいです。以前、自分はお酒の席では食べていないという患者さんがいらしたので詳しく聞いたら、1日7000kカロリーもとっていたんですよ。
Profile sakai
なるほど、気をつけないといけないですね。それから、高血圧のリスクがあるとはぜんぜん思っていなかったのですが、何に注意すればいいでしょうか。
Profile nakata
塩分を控えることですね。思い当たることは?
Profile sakai
かまぼこが好きで、毎日1本は食べています。なめこ汁も大好きで2、3杯いっちゃいますけど、塩分が多いですね。
Profile nakata
かまぼこは一切れか二切れに。意外と塩分が多い食べ物です。きのこは低カロリーでいいのですが、なめこ汁2、3杯は多すぎます。とにかく、糖質ゼロとか極端なことをしないで、栄養はバランスよくとる、適量食べるということを心がけてください。高血圧と動脈硬化のリスクが高いので、今は大丈夫でも、ある日突然、倒れるようなことにならないよう、レポートをよく読んで生活改善してくださいね。
Profile sakai
分かりました。どうもありがとうございます。

酒井さんの感想

全体としては予想通りの結果です。肥満はもともと太っていましたし、近視もメガネをかけているくらいですから、体質が顕著に出るのだと分かりました。
一方で、高血圧のリスク因子を持っていたことは驚きでした。自分の知らない自分がいたという印象です。これまでは薬を飲んでいる人を見ても、かわいそうと思いながら、自分は漬物やかまぼこを食べていましたから、この気づきは大きいです。この検査を受けなければ、高血圧になってから、対処療法的に薬を飲むしかなくなるところでした。動脈硬化もお年寄りの病気だと思い、あまりピンと来ていませんでした。今回自分のタイプが分かり、生活改善すべきところも、具体的に見えたことはうれしいですね。

Sub 5

仲田医師からの一言

この検査を受ける方は、それなりに気になることがあるから、受けたいのだと思いますので、それがはっきりと検査結果に現れると、「やっぱりそうなんですね」「減塩が大切ですね」と自分で気づくことができるのがよい点です。その気づきのお手伝いができるのは、医師としてうれしいことです。
今回、酒井さんは体内老化の項目について、不安を持たれたようですが、家で、一人で報告書を読んだときに、不安だけが一人歩きするようなことも考えられます。SNP検査にどういう意味があるのかということを含め、医師が誤解や不安を生まないように、結果説明をしっかり行うことが重要だと思います。

*SNP(single nucleotide polymorphism/スニップ/一塩基多型):ヒトのDNAの塩基配列は、体の設計図の役割を果たす。ある集団の中で一つの塩基が別の塩基に置き換わっている(変異している)もののうち、変異が1%以上の頻度で現れているものを「多型」、1%未満の場合は「突然変異」と呼んで区別している。変異は、特定の病気や体質を作る元になっており、SNPの組み合わせパターンから高率に特定の疾病が発症することが分かっている。

今回酒井さんに受検いただいた「運動&栄養プログラム」検査は全国のG-TACパートナー施設でも受検いただけます。

Sub 6

酒井さんが受検した検査について

サインポストのゲノム関連検査は、元大阪大学大学院病態情報内科学助教授の山﨑義光氏の研究をもとにした、生活習慣病になりやすい体質かどうかを判定する検査です。DNAの中のSNP(スニップ/一塩基多型)*を測定するもので、「運動&栄養プログラム」では10,000人以上の日本人のデータに基づいた評価がなされます。検査はすべて医療機関にて医師を通じて行う点が特徴です。

Sub 7

医療機関名:新宿ミネルバクリニック
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-41-8 植木ビル3F
医師名:仲田 洋美
診療科:内科、腫瘍内科、緩和ケア内科
診療内容:内科全般、在宅診療、遺伝子診療
最寄り駅:JR新宿駅
医療機関紹介:総合内科専門医、がん薬物療法専門医、臨床遺伝専門医をあわせ持つ国内で唯一の医師です。がんと遺伝子の専門医として、「遺伝子から終末期まで」「今日の先進医療,明日の地域医療」「地域にこそ専門医」をコンセプトに、クオリティーの高い診療を心がけています。この分野の専門医として皆様のお役に立てるよう精進致します。

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